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野町和嘉写真展 シベリア収容所1992

これらの写真は、ソビエト連邦の消滅(1991年12月26日)から間もない1992年3月に、極東シベリア・ハバロフスク近郊にある2箇所の収容所(矯正労働収容所)を主な舞台として撮影されたものである。
 それまで“鉄のカーテン”に仕切られ、厳格に管理されていた体制の崩壊によってあらゆる統制が緩み、国家の内実、内幕が白日のもとに晒された希有の機会であった。 未開の地シベリアは、帝政ロシアの時代から犯罪者や戦争捕虜などに強制労働を課す抑留の地でもあった。ソビエトの時代、囚人を使役する収容所産業が、国家建設に欠くことのできない基幹事業として位置づけられていた。第2次大戦後に多くの日本兵や民間人が抑留され、過酷な労働を強いられた苦い記憶もある。ペレストロイカが浸透しつつあったソビエト連邦の末期、政治犯はほぼいなくなっていたが、おびただしい数の刑事犯を収容し、労働力として使役する収容所産業は絶えることなく稼働していた。そこでは、強権政治がもたらす世相から脱落した弱者でもある受刑者たちの、重苦しくも、淡々と過ぎゆく日常を垣間見ることができた。
 このたび世界は、ロシアによるウクライナ侵攻という凄惨な現実を突きつけられた。ウクライナから連れ去られた人々の一部は極東シベリアにまで強制移送される、とも報じられている。それが事実であるなら、私が30年前に垣間見た光景に、新たな要素が上書きされることになるのだろうか。
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2022年10月13日(木)~10月24日(月)10:00-18:00 ※最終日15:00まで
休館日:10月18日(火)・19日(水)

OM SYSTEM GALLERY(旧 オリンパスギャラリー東京) 詳しく
〒160-0023 東京都新宿区西新宿 1-24-1 エステック情報ビル B1F
OM SYSTEM PLAZA(旧 オリンパスプラザ東京)内
火曜・水曜定休、GW・夏季・年末年始の長期休業

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